2013年7月26日金曜日

シタグリプチン

厚生労働省の薬事・食品衛生審議会医薬品等安全対策部会安全対策調査会は、DPP-4阻害薬「シタグリプチンリン酸塩水和物」(販売名=MSD「ジャヌビア」、小野薬品工業「グラクティブ」)について、重度腎機能障害のある患者への禁忌を解除することを了承。

    2013年7月22日月曜日

    薬物動態学

    半減期の3-4倍が効果持続時間と言える。
    Cmaxの1/3~1/4の時間から効き始める。
    前立腺肥大症に禁忌の薬は尿閉の場合など微妙に表現は違う。PLのプロメタジンは半減期が17時間と長い。
    アマリールが半減期が短いのに1日1~2回で良いのは膵臓外作用があるため。
     ARBが半減期が短いのに1日1回で良いのは親和性がかかわってくるため。
    ベンゾジアゼピンは半減期はそれぞれ違うが効果持続時間はほとんど同じ6~8時間程度。これも親和性による。なので夜中に追加で飲むのはリスクが高い。
    PPIはプロトンポンプつまりH+-K+ATPase(タンパク質)を不可逆的に破壊(変性)するため、タンパク質が戻るのに24時間かかるので短い1時間程度の半減期でも1日1回で構わない。PPIは胃酸で速やかに失活するので全て腸溶錠になっている。
    プロレナールの半減期は1時間もないが血球軟化作用があるため1日3回でよい。類似薬の注射では1日1回になっており、プロレナールも1日1回で良いエビデンスも出はじめている。
    クロノセラピー(時間治療学)でステロイドのサーカディアンリズムに合わせた投与や早朝高血圧への夜カルデナリンの投与など以外に抗がん剤の夜投与。昼間よりも夜の方が癌細胞は活発なので夜に投与すると副作用が少ない。
    バイアスピリンの腸溶錠である理由は胃腸障害防止が理由なので胃が弱くなければ半割も構わないのでは?。


    薬理や薬力学と合わせないと薬物動態学だけでは説明できない。
    有機化学、薬理、動態学が医師には不得意なところ。これを薬剤師が担う。
    溶解→分布→代謝→排泄は動態学で考えるが、酵素反応は薬力学でないと説明がつかない。


    2013年7月19日金曜日

    外用抗真菌薬にはなぜ軟膏よりもクリーム剤型が多いか?

    市販の水虫薬には、液剤、クリーム、軟膏、エアゾールなどのさまざまな剤型があります。

    これらの剤型の使い分け方としては、カサカサした乾燥タイプ(小水疱型水虫)には液剤やエアゾールを、ジクジクした湿潤タイプ(趾間型水虫)にはクリームや軟膏を、ひび割れしたりただれたりしているタイプ(角化型水虫)には軟膏を使用するのが良いとされてきました。
    しかし最近ではこれらの薬剤間の特徴の差が少なくなり、基本的には各人の好みで剤型を選べば良いといえそうです。

    液剤は、水虫患部が乾燥したタイプの水虫に用いられます。
    水虫を殺す成分である抗真菌剤は水に溶けにくく、このため溶剤としてアルコールなどの有機溶剤が使われています。
    患部にひび割れやただれ、傷などがある場合には、アルコールが沁みて痛みを感じることがありますので、使わない方が良いでしょう。
    特に、趾間水虫では皮膚が弱くて炎症を起こしているケースが多いので、クリーム製剤、軟膏を使うのが好ましいでしょう。
    液剤の特徴としては、水虫に対する効力が他の剤型のものよりも強いことが挙げられます。
    クリームや軟膏では皮膚を保護する基材成分が入っており、その結果として水虫菌に対する効果が弱められます。

    エアゾールは液剤と同じ使い方をしますが、ワンタッチで使える便利さがあります。

    クリームや軟膏は、水虫患部が湿潤したタイプに用いられます。
    クリームと軟膏の違いは、水虫薬の基剤にあります。

    クリームの基剤は、油脂と水とを界面活性剤で混ぜ合わせたものを使っているために、伸びがよくべとつきがありません。

    使用感が良く、浸透力が良いので、現在ではクリームが良く使われています。
    特に、趾間水虫ではクリーム剤が第一選択薬剤になっています。
    趾間では皮膚が弱く、クリーム基材の皮膚保護作用が好ましい効果をもたらします。

    軟膏は、油脂製の基剤(ワセリンなど)の中に抗真菌剤を溶解させています。
    このため、べとべとした使用感がありますが、ひび割れした水虫患部に適しています。




    ちなみに、
    「外用抗真菌薬はどれも同じ効果」じゃない!
    (日経メディカル 水虫治療 常識のウソより)

    考察1 次の外用抗真菌薬のうち、足白癬の治療に最も適切なのはどれでしょうか。
    いずれの薬剤も、足白癬に適応があります。
    (1)ニゾラールクリーム(一般名ケトコナゾール)
    (2)アスタットクリーム(一般名ラノコナゾール)
    (3)マイコスポールクリーム(一般名ビホナゾール)

    考察2 次に示した外用抗真菌薬のうち、爪白癬に適応を持つのはどれでしょうか。
    (1)ルリコン液(一般名ルリコナゾール)
    (2)ルリコンクリーム(一般名ルリコナゾール)
    (3)ゼフナート外用液(一般名リラナフタート)
    (4)ゼフナートクリーム(一般名リラナフタート)

    「外用抗真菌薬はどれでも同じ効果」なのか?
     添付文書に適応症として「白癬」とあれば、どの外用抗真菌薬も同様に白癬に効果
    があるのでしょうか? 現実には、全ての外用抗真菌薬に足白癬の適応がありますが、
    足白癬に対する効果は薬によって異なります。
     適応症とは、治験を行い、ある程度以上の効果があった(その基準や検討方法は
    承認された時期によって異なります)ということを意味するに過ぎません。
    少なくとも「とても効果がある」ということを保証しているのではないのです。
     実際、1日1回塗布の新しい世代の外用抗真菌薬を比較しても、白癬菌に対する
    最小発育阻止濃度(MIC)は1000倍近い開きがあります。白癬菌に対するMICが
    小さい(効果が高い)のは、ルリコナゾール(商品名ルリコン)、ラノコナゾール
    (商品名アスタットほか)、テルビナフィン(商品名ラミシールほか)、
    リラナフタート(商品名ゼフナート)、ブテナフィン(商品名メンタックス、
    ボレーほか)、アモロルフィン(商品名ペキロン)です。

    白癬菌に効果の高い外用抗真菌薬
    (カッコ内は商品名)
    ・ルリコナゾール(ルリコン)
    ・ラノコナゾール(アスタットほか)
    ・テルビナフィン(ラミシールほか)
    ・リラナフタート(ゼフナート)
    ・ブテナフィン(メンタックス、ボレーほか)
    ・アモロルフィン(ペキロン)
     逆に、とても有名なビホナゾール(商品名マイコスポールほか)は、1日1回塗布で
    よく、白癬、カンジダ、マラセチア(癜風菌)のどの菌種にも適応があるということ
    で、世に出た当時は注目を集めました(それで一躍有名になりました)が、薬効面
    ではその後に登場した薬剤に追い抜かされてしまいました。
     ケトコナゾール(ニゾラールほか)も有名な外用抗真菌薬で、白癬、カンジダ症、
    癜風などに適応がありますが、白癬に対する効果はかなり低いです。ただし
    ケトコナゾールは、カンジダやマラセチアに大しては抜群の効果を発揮します。
     これでお分かりのように、適応があるかどうかは全くあてになりません。添付文書
    に同じように記載されていても、効果には大きな差があるのです。ですから、水虫に
    使うのであれば、上記の「白癬に効果の高い薬剤」をしっかりと覚えておく必要が
    あります。
     というわけで、考察1の正解は、(2)アスタットクリームでした。

    「足にはクリーム、爪には液」の塗り分けは必要なのか?
     伝統的に行われている「足にはクリーム、爪には液」という使い分けに意味は
    あるのでしょうか? 「爪には液」なのは、液の方が浸透がよい気がするからで
    しょう。しかし実際には、「爪には液」にエビデンスはありません。
     また、これもしばしば誤解されていますが、液とクリームはいずれも足白癬や体部
    白癬などには適応がありますが、爪白癬には適応がありません。そもそも、外用抗
    真菌薬には、どの剤形も爪白癬の適応はありません。爪白癬は、抗真菌薬の内服を
    行わなければ治癒は望めません。と考えれば、クリームと液を塗り分ける理由がない
    ことがお分かりいただけるでしょう。
     逆に、塗り分けることにはデメリットがあります。まず、処方される薬剤数が
    増えますので、特に高齢者では、どれがどの部位用の薬かが分かりにくくなります。
    次に、2剤形を塗り分けると、塗る手間が増えます。1つの容器のふたを開けて手に
    出して塗って、その容器のキャップをしめて、もう1つの容器を開けて手に出して
    塗って、容器をしめる、という作業になるからです。手間がかかると、当然アドヒア
    ランスが低下します。水虫の治療では毎日薬を塗布しなければなりませんから、
    アドヒアランスの低下は大きな問題です。
     さらに、2剤形を塗り分けると塗り残しができやすくなります。次回以降で解説
    しますが、足白癬治療においては、足底、趾間、趾背、足縁、アキレス腱部まで
    くまなく塗ることが必要です。塗り残しは、避けなければいけません。
     1剤で、足も爪も外用するようにすれば、薬の数も減らせて処方する医師の手間も
    減り、患者の理解も容易になります。そして、1剤形で全体に塗布すれば、塗布時の
    患者の手間も減って、塗り残しも減ります。その際の剤形は、クリームでも軟膏でも
    液でも、どれでも構いません。しっとりしていた方が良いという人や液が垂れて塗り
    にくいという人にはクリーム、刺激を受けやすそうな部位)がある人には軟膏、
    べたつきを嫌う人や素足で生活する人には液、といったように選択します。
    ・剤形数は1つがよい。
    ・足も爪も同じ剤形で全体に塗布する。
    ・クリーム、軟膏、液は患者の好みや病変の状態によって決定する。
     ですので、考察2は「どの薬剤も爪白癬に適応はない」が正解でした。

    2013年7月5日金曜日

    インクレチン関連薬と糖尿病治療

    2013年の熊本市で行なわれた日本糖尿病学会に於いて「熊本宣言」が出されたが、「合併症予防」にはHba1c(NGSP)は7.0を目標値とする。「血糖値の正常化」には6.0、「難治例」には8.0とすること。

    2013年7月4日木曜日

    CCBの副作用の便秘のメカニズム

    血管平滑筋のカルシウムチャネルを遮断するが、腸管平滑筋のそれも遮断するために弛緩し便秘が起こる。
    頻度が意外と多い。

    2013年7月3日水曜日

    ARBとCCB併用でも下がらない血圧

    更なる降圧目標には単剤増量よりも多剤併用薬の方が効果が高いし副作用リスクが低い。
    アムロジピンは同じ1日量を1日1回と1日2回投与に分けても降圧効果に差は出にくい。
    ARBとCCB併用例ではさらにARBを増量しても用量依存的には下がらず、CCBは用量依存的に下がる。
    副作用的な視点では、ARBやACEIなどのRA系抑制薬では末梢での細静脈よりも細動脈を拡張させて浮腫を起こす。この対応として減塩や利尿剤を用いても改善しないが、CCBを用いると細静脈の方が拡張されて細動脈とのバランスが保たれて浮腫が改善される。
    ARBの中で唯一ミカルディスだけは肝代謝で非線形薬物であるから、最大の80mgへの増量よりはなるべく避けたい。

    こうなると配合剤の中でも唯一アムロジピン10mgのアイミクスHD配合錠というものの存在意義が更に高まる。

    デノタスチュアブル配合錠

    LANKL製剤デノスマブ含有のランマーク120mg注射(骨髄腫治療薬)とプラリア60mg注(骨粗鬆症治療薬)での低カルシウム血症の治療薬。
    「デノ」スマブ製剤に「足す」が語源。
    チュアブルなので噛み砕いくか、口の中で溶かして服用する。
    もともとOTCのカルシチュウ。
    1日1回、1回2錠が基本。
    新薬だが2週間制限なし。
    バラ56錠とバラ100錠包装。
    開放状態で吸湿性と光で1日で効果低下するので分包は不可。
    ピンセットで掴むだけで小さなキズが付くことも良くない。
    患者さん自身で瓶の蓋を開け閉めして取り出して飲んでもらう。
    以上の理由により56錠の倍数で処方してもらう。